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飲水思源(いんすいしげん)②

更新日:2022年1月28日

八田さんは当時の海外の様々なダム建設や灌漑システムなどを見学しており、その知識を活用して台湾各地のダム(水庫)や給水システムを建設するよう様々な提案をしたのです。資金の工面や上層部の同意などを取り付け、様々な障害も乗り越えて、1920年に台南市にある“烏山頭水庫”を着工しました。更にその後10年を経て、当時東南アジア最大のダムである“烏山頭水庫(ダム)” が1930年5月に竣工しました。


このダムのおかげで灌漑用水が確保され、台湾米の最大の産地である“嘉南平原”が出現したのです。ちなみに、現在の台湾最大のダムである“曽文水庫”も八田さんが考案した場所に建設されています。


大変無念なことですが、1945年5月8日に、八田さんはフィリピン行きの戦艦に乗っているところを射撃されて、八田さんはお亡くなりになりました。八田さんの遺骨は“烏山頭水庫”の脇に埋葬されました。更にとても悲しいお話ですが、奥様は終戦後にも日本に帰国せず、八田さんの後を追うように八田さんの形見でもある“烏山頭水庫” に投身されてしまいました。


“烏山頭水庫” には、台湾最大の米所である“嘉南平原”をもたらせた八田さんと奥様が一緒に今も見守ってくれているのです。


今年はちょうど“烏山頭水庫” 着工100年周年です。100年後の今年になって水不足になり、改めて八田さんの功績が台湾の人々にとってありがたいことか思い出されました。


飲水思源(いんすいしげん)という言葉があります。物事の基本を忘れずに大切にしよう、または受けた恩を忘れてはいけないという戒めを意味しますが、水を飲むときには、水源やその水源を作った人に感謝しましょうという意味からきています。台湾国民が八田さんに想うべき言葉をこれほど表している言葉はありません。改めて八田さんに感謝したいと思います。

台南市にある“烏山頭水庫”は、現在ダムパークとして整備されており見学ができます。台南市に訪れることであれば、日帰りで“烏山頭水庫”への見学はいかがでしょうか。


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