台湾北部と南部の「粽(ちまき)」の違い
台湾の「ちまき(粽子 / zòng zi / ㄗㄨㄥˋㄗ˙)」は、台湾の中でも地域によって料理方法が異なります。日本でも関東と関西で味付けや調理方法に違いがあると思いますが、台湾でも大きく分けて北部と南部の違いがあります。
実は台湾北部と南部はどちらも負けず嫌いなので、毎年必ず「粽(ちまき)」の調理法の違いで盛り上がります。
「粽(ちまき)」の具材はもちろん、調理法も違います。
北部粽は、最初に味付けしてもち米と具材(干しエビ、スルメ、干し大根、豚バラ肉等)を炒めたものを、笹の葉で包んで更に蒸します。
南部粽は、生のもち米と炒めた具材(落花生、シイタケ、卵の塩漬け、豚肩ロース肉等)を笹の葉で包んで、蒸すのではなく茹でるのです。
北部粽は蒸すだけなので、硬めの笹の葉を使いますが、南部粽は茹でるため、具材がはみ出さないようにしっかりと包む必要があるので、柔らかめの笹の葉を使うことになります。
粽(ちまき)の勝者はどちら?
さて、どちらが美味しいのかが両者の戦いです。
北部粽のもち米は、あらかじめ味付けして具材と炒めたものなので、歯ごたえがよく比較的濃い味付けです。台湾では「油飯( yóu fàn / ㄧㄡˊㄈㄢˋ)」というB級グルメがあります。日本ではおこわのような料理ですね。この北部粽の中身は「油飯」とよく似ています。
南部粽のもち米は茹でているために、柔らかくて粘りを感じます。具材の落花生も茹でて柔らかくなっており、相性は抜群です。シイタケの良い香りもします。
さて、勝者はいずれでしょうか?もちろん勝者も敗者もありません。どちらも美味しいですよ!だから、この戦いは過去から将来に渡って永遠に続くのです。それが楽しみですからね!
さまざまな粽(ちまき)を楽しもう!
日本の南九州には、「あくまき」という端午の節句の祝い菓子がありますが、台湾にも甘い「ちまき」である「鹼粽( jiǎn zòng / ㄐㄧㄢˇ ㄗㄨㄥˋ)」があります。
「鹼粽」は、透明感のあるきれいな琥珀色と、もっちりとしているのに弾むような弾力がある独特の食感が特徴です。
健康志向の方には、油分少な目や野菜の「粽(ちまき)」も出されています。台湾でもここ数年健康志向が高まっていますからね。
台湾に来られる機会があったら、いろんな「粽(ちまき)」を食べ比べると楽しいのですが、現在の状況では難しいと思いますので、外部の映像ですが探してみました。ご参考になれば嬉しいです。北部粽を作ってみたい方がいらっしゃいましたら、是非ご覧くださいね。https://youtu.be/i7C1XKf62ak
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