ほとんど休まずに巡礼は進むので、巡礼者もずっと歩き続けます。当然疲れるので、街の横で休憩したり寝たりするのです。すぐ休めるように寝袋も用意しているようです。
人々もそれを知っていますので、巡礼ルートのコンビニではタンボールを敷いて一休みできるスペースを作ってあげます。
巡礼者の食事はどうするのかと心配された方、大丈夫です。途中の食事に関しても全く心配ご不要です。巡礼ルートの途中にある民家では、お水やスナック菓子、パン、食事、果物など用意しています。建前は「媽祖様」に捧げるためですが、実際には巡礼を続ける巡礼者を応援しているのです。
巡礼者は無料で沿道の人々から食べ物をもらうのですが、渡す側の住民達の方が、笑顔で巡礼者に「ありがとう」や「お疲れ」などと言いながら、食べ物を渡すのです。
私も1日巡礼した中で、励ましの言葉や施しを頂き、沿道の皆さんの優しさに感動しました。
そもそも「媽祖様」とはどんな神様でしょうか。もともと中国福建省の沿海に漁師を見守る海上の女神と呼ばれる神様でした。
約400年前に中国の漢民族が沢山台湾島に移民し始めた時に、無事に台湾海峡を渡るように見守ってもらっていたようですが、漁師達だけではなく台湾の住民にとってとても重要な信仰対象となっていったのです。
「媽祖様」の管轄も海だけでなく台湾人の生活のあらゆる面に広がり、今日ではどんな悩みがあっても「媽祖様」にお祈りすれば導いて頂けると信じるようになりました。
近年、観光イベントとして地方政府や主催のお寺は、この「大甲鎮瀾宮媽祖巡礼」の国際的な宣伝にかなり力を入れていますので、1日だけの体験参加も大歓迎されています。
特別な準備も必要ありませんし、一部の巡回ルートは鉄道の駅と離れていませんので、車がなくてもアクセスできます。
お時間が合いましたら、とてもお勧めです。
爆竹の迫力と台湾人のもてなしに囲まれる1日になりますよ。
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